節分といえば、鬼のお面をかぶって豆まきをしたり、恵方巻を食べて1年の幸福を願うなどさまざまなイメージがあると思います。日本の親しみ深い伝統行事ではありますが、その意味や由来はご存知でしょうか?今回は意外と知られていない節分の歴史や豆まきについて、詳しくご紹介いたします。どうぞ最後までご覧くださいませ。
目次
- 1.節分とは
- 2.節分の日付けについて
- 3.節分に豆まきをする理由
- 4.節分に食べるもの
- 5.最後に
節分とは
現代の私たちにとって、2月の行事として馴染み深い「節分」ですが、本来は年に4回ありました。
節分とは「季節を分ける」ことを意味している雑節の1つで、「立春/立夏/立秋/立冬」の前日のことを指します。その中でも旧暦の1年の始まりである春の節分(立春の前日)が重要視され、江戸時代以降は「節分=春の節分」という認識が広まっていったそうです。
現代では、豆まきや柊鰯(ひいらぎいわし)で邪気を追い払ったり、恵方巻きや
節分そばを食べて福を呼び込む伝統行事として浸透しています。
*節分の由来
節分の行事といえば鬼退治ですが、これは大晦日に宮中行事として行われていた「追儺(ついな)」が元になっています。追儺とは、中国で行われていた“桃の木で作った弓矢で鬼を追い払う”行事のことです。これが奈良時代に日本に伝わり、平安時代に宮中行事に取り入れられました。その行事の「豆打(まめうち)」の名残が現代の豆まきとして伝わっています。
節分の日付けについて
例年の日程やイメージでなんとなく節分は「2月3日」の行事だと認識されている方が多いのでないでしょうか?実は節分の日は固定ではなく公転周期による時間のズレによって変化するもので、実際2月2日になったり2月4日になったりすることもあります。
季節と暦のズレを解消するために4年に1度「うるう年」が設けられていますが、それでも誤差が生じてしまいます。それにより立春の日が少しずつ変化していき、節分の日も2月3日から前後するという仕組みです。
節分に豆まきをする理由
節分といえば豆まきというイメージが定着していますが、なぜ豆まきをするのかご存知でしょうか。昔から神様が訪れるときは、鬼などの悪さをするものも一緒にやってきてしまうと考えられていました。そのため、神様だけを迎え入れ、邪悪なものを追い出すために行われたのが「豆まき」です。
豆には「穀物には生命力と魔除けの呪力が備わっている」という信仰があり、また語呂合わせで「魔目(豆・まめ)」を鬼の目に投げつけて鬼を滅する、鬼に豆をぶつけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味合いがあるとされています。
*豆まきのやり方
地域や家庭によってやり方や風習はさまざまですが、一般的な豆まきのやり方をご紹介します。
まず、豆まきに使う豆は「福豆」といって霊力が宿ると言われている為、豆まきを始めるまでは神棚や家の中の高い場所にお供えしておきます。
豆まきを行うのは鬼がやってくる夜。福枡(ふくます)と呼ばれる枡を持ちながら、ドアや窓を開けて「鬼は外」と唱えながら家の外に豆をまきます。まく回数は一般的には2回ですが、地方や家によっても異なります。
まいたらすぐドアや窓を閉めて、鬼が戻ってくるのを防ぎ、今後は「福は内」と唱えながら家の中に豆をまきます。これを何度か繰り返し鬼を退治したら豆まきは終了です。
ちなみに、まいた豆を年齢の数だけあるいは年齢の数+1食べると1年間健康に過ごせるといわれています。他にも不老長寿や家内安全にも効力があるんだとか。
*炒った豆を使う理由
豆まきで使用するのは生の豆ではありません。これにはいくつかの説があると考えられています。
最大の理由は「豆から芽が出ないようにするため」です。生の豆を使うと、拾い損ねた豆から芽が出る可能性があり、「邪気が芽を出す」として縁起が悪いことだと考えられていました。
他にも「まめをいる」という言葉が「魔の目を射る=邪気を払う」につながるという縁起担ぎの意味合いや、豆を炒ることによって皮が剥がれることを新年の象徴として重要視する風潮があったと言われています。
節分に食べるもの
*恵方巻
恵方巻きの由来は諸説ありますが、江戸時代に大阪の商人や花街の芸奴さんが、一年の節目に縁起担ぎして「太巻き寿司」を丸かぶりしたのが始まりと言われています。その後、関西を中心に受け継がれ、コンビニエンスストアによる販売をきっかけに全国に広まったそうです。
*恵方巻を食べる意味
七縁起の良い福神にちなみ、7種類の具材を包む恵方巻きは、「福を巻き込む」食べ物とされています。
食べ方にも以下のようなルールがあります。
1本を切らずに食べる | 恵方巻きはひと口サイズに切らず、1本丸ごと一気に食べるのがルールです。これには「縁を切らな い」「運を逃がさない」という意味が込められています。 |
恵方を向いて食べる | 年ごとの恵方(吉方)とされる方角を向いて食べます。これは、歳徳神(としとくじん)がいる方向 を向いて食べ、福を呼び込むためです。 |
喋らずに黙って食べる | 心のなかでお願いごとをしながら黙々と1本食べ切ります。これは、喋ると福が逃げてしまうと考え られているためです。 |
ちなみに恵方は年ごとに代わり、5年周期で繰り返します。お家で恵方巻きを食べる際は、方位磁石やスマートフォンの方位アプリを使って、その年の恵方を調べるのがおすすめです。
最後に
日本の伝統行事である節分について詳しくご紹介して参りました。現代に至るまで、節分の文化は受け継がれ多くの人から親しまれています。その歴史や意味を理解しながら毎年来る節分を迎えてみてはいかがでしょうか。