壁掛けカレンダーへの名入れ印刷は、一般的な印刷物とは異なり商品の製本方法や色数・原稿のデザインによって印刷方法が変わる場合がございます。この記事では壁掛けカレンダーの名入れ印刷方法について詳しくご紹介いたします。ご注文前や入稿データ作成時のご参考にお読みください。
目次
- 1.壁掛けカレンダーの名入れ印刷方法とは?
- 2.「基本色1色」の場合の印刷方法
- 3.「2色」の場合の印刷方法
- 4.「3色」「フルカラー」の場合の印刷方法
- 5.名入れ原稿作成のポイント
- 6.名入れ印刷方法についてのまとめ
1.壁掛けカレンダーの名入れ印刷方法とは?
カレンダー業界では社名などの原稿を「名入れ」と言い、壁掛けカレンダーの場合は名入れ印刷という工程を、主に「チャリンコ」と呼ばれる専用の機械を用いています。
チャリンコでの印刷は金具やホットメルト(厚紙)などで製本された完成品のカレンダーに対し、熟練の職人が1枚1枚紙をめくりがながら、手作業で丁寧に印刷を行っていきます。ただし人の手で行っている為、紙の端などに若干のめくりじわ(折り目)が残る場合があります。
なお、名入れの印刷色や紙の種類・冊数によってチャリンコ以外の機械で印刷する場合もございます。
2.「基本色1色」の場合の印刷方法
基本色1色の名入れ原稿の場合、主に先ほど紹介いたしました「チャリンコ」と呼ばれる名入れ印刷専用の機械での印刷となります。
社名などの企業情報だけでなく、写真やQRコードなどの図形の印刷も可能です。ただし機械の特性上、図のようにグラデーションや細かい色の濃淡などを表現することは、一般的なインクジェットプリンターやレーザープリンターなどと比べると、あまり得意ではありません。また商品の素材・仕様によっては基本色1色でも別の方法で印刷する場合もございます。
なお、特色など基本色以外の色で名入れを印刷する場合、機械内部を清掃し新たにインクをセットしてから印刷する必要があります。基本色以外の色で印刷をご希望の際は別途お見積りをご依頼ください。
スミ1色(K100%)イメージ
紺藍1色イメージ
濃度80%以上での表現:実際の仕上がりは100%の濃さで作成した場合とあまり差が出ません
部分的に色の濃淡あり:色の濃さ20%以上を離すと、実際の仕上がりも綺麗に出やすくなります
濃度20%以下での表現:実際の仕上がりは更に薄くなり、ハッキリとは認識しづらいため、オススメはしません。
グラデーション:画面上ほどしっかりとしたグラデーションの表現は難しいため、オススメはしません。
3.「2色」の場合の印刷方法
まず初めに、2色での印刷の場合は名入れのデザインによって印刷方法が異なります。また、通常の1色用の印刷とは異なる機械での作業のため、当店へのご注文の際には下記についてご確認のうえ、事前にお見積りをご依頼ください。
2色の色が離れている場合
図のように色と色同士の距離が離れている場合、こちらは2色印刷専用の機械での印刷となります。目安としては色同士が実寸で3mm以上離れていることが望ましいです。また、印刷の仕上がりについては、基本色1色でご紹介したチャリンコと同じくらいの精度です。
基本色だけでなく、ご指定の特色での印刷も可能ですので、ご希望の方はお見積りのご依頼の際にあわせてご相談ください。
基本色2色イメージ(スミ+草)
特色2色イメージ(DIC番号などでご指定ください)
2色の色が近い場合
上記とは異なり、図のように2色の色同士が近い場合・くっついている場合は、「バラ刷り」と呼ばれる特殊な方法での印刷となります。
カレンダー業界ではカレンダーの製本前の状態のことを通称「バラ」と呼び、そのバラの状態で印刷すること「バラ刷り」と呼んでいます。
商品によっては本文の印刷から製本までを一括して行う機械で製造されているものもあるため、バラ在庫のご用意が無い商品もございます。
色同士がくっついている名入れイメージ
色同士が近い場合、位置のズレが目立つ可能性があります
4.「3色」「フルカラー」の場合の印刷方法
3色やフルカラーでの印刷の場合、先ほど紹介いたしました「バラ刷り」と呼ばれる特殊な印刷方法となります。そのため、当店へのご注文の際には事前にお見積りをご依頼ください。
名入れのデザインについては自由度が高く、色同士の距離などによって印刷方法は左右されません。また、写真などのカラー印刷も可能です。なお、特に3色やフルカラーでの印刷の場合、専用機の台数も限られていることから時期によって通常の基本色1色よりも納期がかかる場合もございます。納期だけでなく、在庫にも限りがございますので、ご注文の際はお早めにご相談ください。
3色名入れイメージ
フルカラー名入れイメージ
5.名入れ原稿作成のポイント
色ベタの範囲
基本色1色の名入れでも、図のように印刷可能範囲内すべてに色がついたような、色ベタの面積が大きい原稿は、通常の印刷方法ではご対応が難しい場合がございます。
カレンダーの紙質によっても左右されますが、図のような原稿は通常の印刷機ではインクがにじみやすく、チャリンコでの印刷が難しいため、「バラ刷り」での印刷になる場合がございます。印刷が難しい場合は、お客様からの入稿データを確認後、当店からメールなどでご連絡差し上げます。
印刷可能範囲内の色ベタの面積が大きいため、バラ刷りでのご対応になります。特にコート紙など、ツヤのある紙はベタの面積にご注意ください。
文字の大きさについて
名入れ原稿作成のポイントとして、卓上カレンダーのように手元に置いて近くで見ることの少ない壁掛けカレンダーは、小さい文字での印刷は実際の仕上がりで見づらくなる場合があるため、あまりオススメいたしません。カレンダーのサイズや書体によっても多少異なりますが、当店では10pt以上を推奨しております。
また文字量についてもあまり多くなると読みづらくなることがありますので、アピールしたいポイントをしっかりと意識して作成してみてください。
カレン堂スタッフからのコメント
入稿データを作成する際には、その他詳しい注意点などを含め入稿用のテンプレートデータ下部に記載しておりますのでご確認ください。また、当店では専門スタッフが原稿の作成を承ることも可能です。ご注文の際には名入れ原稿の内容入力欄に必要箇所をご入力のうえ、ご注文ください。修正などの対応も致しますので、是非お気軽にご相談くださいませ。
6.名入れ印刷方法についてのまとめ
いかがでしたでしょうか?昨年カレン堂で現在取り扱った2023年版の商品数はおよそ1800点を超えており、名入れの印刷方法については今回ご紹介した方法以外にも、特殊な印刷方法がいくつかございます。詳しくは各商品の詳細ページをご確認ください。名入れカレンダーは1年を通して継続的な効果のある販促効果を発揮するツールです。年末年始の御挨拶などに是非名入れカレンダーをご検討ください。
また名入れの印刷色については、下記リンクよりご確認くださいませ。
※本コンテンツは、名入れカレンダー専門店カレン堂(運営:シティライフ株式会社)スタッフが独自に調査しまとめた内容となります。最新版の商品・情報などと多少の差異がある場合がございますので、何卒ご了承くださいませ。
※モニターの発色具合によって実際の仕上がりと色が異なって見える場合がございます。