今日から始まる「立夏」は、季節の指標となる二十四節気の7番目。夏を6つに分けた節気の最初で、穀雨から数えて15日目頃、太陽黄径が45度となる日です。
春分と夏至のちょうど中間にあたり、暦の上での夏の始まりで、この日から立秋の前日までが夏季になります。
次の二十四節気「小満(しょうまん)」までの期間も指し、毎年5月5日頃(2022年は5月5日)~5月20日頃となります。
「立夏」は新緑の盛り。日差しも強まり、気温も高くなる日もありますが、総じて湿度の低い晴天の日が多く、さわやかな気候です。レジャーやお出掛け、さらに夏の準備をするにも最適。梅雨が来る前に畳替えなどを行います。
そして今年の立夏は「端午の節句」当日。現在は、男の子の成長を願う節句で、祝日としては男児女児問わず、健やかな成長を喜ぶ日になっています。
本来は薬草を摘んで野遊びをする日で、やがて厄病を祓う節句として「菖蒲の節句」になっていきます。今も菖蒲湯などに入りますが、菖蒲は煎じて飲む薬草。当時はお酒に浸した菖蒲酒などで、厄払いをしたそう。
江戸時代になると、「尚武」と「菖蒲」が同じ読みであることから、武家社会で男子の成長を願う日へ。幕府の行事にも定められ、鎧兜や鯉のぼり※を飾りました。その風習が現代にも引き継がれています。
※鎧兜の飾り:現代は「身体を守るもの」という意味で、交通事故や病気から守ってくれるようにとの願いが込められる。
※鯉のぼり:鯉は非常に生命力が強く、池や沼でも生息。「竜門」という滝を登ると竜になって天に登るという中国の伝説から、立身出世を願う飾り。
■七十二侯(しちじゅうにこう)
・初侯 蛙始鳴 (かわずはじめてなく) 5/5~5/9頃
蛙が元気に動き回り始める/生まれた池に戻ってくることから「帰る」→蛙 (かえる)と呼ばれるようになったとの説話も。「無事帰る」「お金が帰る」に通じることから、縁起が良いとされます。
・次侯 蚯蚓出 (みみずいずる) 5/10~5/14頃
ミミズが地上に現れ始める/「自然の鍬 (くわ)」とも呼ばれるミミズ。地中に掘るトンネルは、植物の成長に大切な空気や水の通り道になり、土壌の豊かさを象徴。田畑には大切な存在です。
・末候 竹笋生 (たけのこしょうず) 5/15~5/20頃
タケノコが顔を出し始める/5~6月が旬のタケノコは日本原産のマダケ。タケノコは何枚もの皮に包まれており、あっという間に成長しますが、その間に皮がはがれて「竹」になるそうです。
■旬の食材や植物
・ジャガイモ(馬鈴薯)
5月~6月が新ジャガの旬。10月~11月にとれる秋ものよりも、みずみずしく皮が薄いので皮ごと食べられます。収穫した後に陽に当たると芽が出ますが、この芽と緑色になった皮は有毒のため注意が必要。
・メロン
露地物の旬は5~7月で、主にアンデスメロンやプリンスメロンなどが出荷されます。植物学的にはウリ科のキュウリ属の野菜ですが、食品としては果物の代表格。
・カツオ(鰹)
5月の食材として有名な「初鰹」。黒潮にのって北上してくるものが「初鰹」となり、初秋の9月に三陸沖でとれるカツオは南下してきた「戻り鰹」となります。保存食品にした「鰹節」は、日本食のダシに必要不可欠な存在。
・ツツジ(躑躅)
品種により4月中旬~6月中旬まで開花。もっとも盛りなのが5月。万葉集にも書かれているほど、昔から日本で親しまれている花木です。英名ではアザレア。5月の和名「皐月」と同じ名のサツキは「サツキツツジ」の略でツツジの一種。
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