身近ではあまり聞かない「建築吉日」はいつで、どんなことをするのか?など、建築吉日について調べてみたのでご紹介いたします。
目次
- 1.建築吉日とは?
- 2.十二直とは?
- 3.その他の建築吉日・建築凶日
- 4.建築吉日入りおすすめカレンダー
- 5.まとめ
1.建築吉日とは?
「建築吉日」は、家を建て始めるのに良い日とされています。住宅建築で行われる「地鎮祭」や「上棟」、「お引渡し」などの日程を決め、進める際に縁起のいい日となります。
これは、江戸時代まで日々の吉凶をを見る暦として使われていた「十二直(じゅうにちょく)」という暦注(暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項)の一つを参照しています。吉日と聞くと、カレンダーに書かれている事が多い「六曜」を思い浮かべるかと思いますが、六曜と十二直は異なるものさしで吉凶を見るものなのですので、2つが同じ日でも吉凶が違っていることもあります。建築関係では伝統的に、十二直の方が重視されているところが多いです。
2.十二直とは?
六曜は一般の方にもなじみ深いものですが、十二直は建設関係者以外で知っている方が少ないかもしれません。
十二直は、北極星の周りをまわる「北斗七星」の向きをもとにしています。北斗七星の方角は十二支で表されるので、十二直も「建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉」の12種類あります。
●十二直の分類
十二直(読み方) | 意味 | 運勢(建築以外の吉凶も含む) |
建(たつ) | 万物を建て生じる日 | よろず大吉の日。動土と蔵開きは凶 |
除(のぞく) | 障害を取り除く日 | 井戸掘り・治療開始・祭祀は吉。結婚と動土は凶。 |
満(みつ) | 万象万物ことごとく満まん溢いつされる日 | 新規事・移転・結婚は吉。動土と服薬は凶。 |
平(たいら) | 物事の平等円満をもたらす日 | 旅行・結婚・道路修理は吉。穴掘りと種蒔きは凶。 |
定(さだん) | 善悪が定まる日 | 開店・結婚・移転・種蒔きは吉。旅行と訴訟は凶。 |
執(とる) | 執り行う日 | 祭祀・祝い事・造作・種蒔きは吉。金銭の出入りは凶。 |
破(やぶる) | 物事を衝破する日 | 訴訟・出陣・漁猟・服薬は吉。祝い事と契約事は凶。 |
危(あやぶ) | 万事に危惧を含む日 | 諸事控えめに慎むべきで、旅行、登山はとくに大凶。 |
成(なる) | 物事が成就する日 | 新規事・建築・開店などは吉。訴訟と談判は凶。 |
納(おさん) | 万物を納め入れるのに良い日 | 収穫と商品購入は吉。見合いと婚礼などは凶。 |
開(ひらく) | 開き通じる日 | 建築・移転・結婚は吉。葬式など不浄事は凶。 |
閉(とづ) | 閉じ込める日 | 金銭出納と建墓は吉。棟上げ・結婚・開店は凶。 |
上表の太字になっている6つ(建、満、平、定、成、開)が「建築吉日」でよい日とされています。ただ、科学的根拠は示されていないということなので、「こういう日もあるんだな」と参考程度に留めていただければと思います。
3.その他の建築吉日・建築凶日
十二直以外にも家を建てるにあたって吉日となる日、凶日となる日があり、「天赦日」「一粒万倍日」「三隣亡」のご紹介をしていきます。
天赦日(てんしゃび/てんしゃにち)
天赦日は、日本の暦の上で最高の吉日と言われており、年に5~6回ほどあります。また、「天が赦す(ゆるす)日」とあるように、百の神様が天に昇り、万物の罪を赦す日として、何事をするにも良い大吉日と言われています。
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
一粒万倍日は、「一粒の籾(もみ)が育って万倍にも実り稲穂なる」という意味があり、種まきや新しいことを始めるのに最適な日と言われています。建築関係では、地鎮祭や上棟式におすすめの吉日となります。
一粒万倍日について、更に詳しくはこちら!
三隣亡(さんりんぼう)
三隣亡は、「火事が起こり、隣3軒火災で滅ぼす」という意味です。建築関係では縁起の悪い日とされているので、建築に関する行為は一切避けた方はいい日となります。
4.建築吉日入りおすすめカレンダー
建築吉日以外で「天赦日」や「一粒万倍日」が記載されているカレンダーも多く取り扱っております。
5.まとめ
「吉日」と言っても「六曜」だけでなくとてもたくさんあることに驚きました。そして、家を建てる前の「地鎮祭」などはよく耳にしたことがありますが、行うのに良い日と良くない日があるのは知りませんでした。
いつか家を建てるときに参考にしてみてはいかがでしょうか。